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■日本語では区別しないのに
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■say (言う)の用法は広い。
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■wihtの勉強
■overの勉強
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■名詞がそのままで副詞の働き?
■再帰代名詞って覚えてます?
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■get up だけ別にしました
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■bring と take の違い
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■使役動詞を復習
■英語の敬語と丁寧表現
■仮定法を少し勉強
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■聖書ゆかりの名前は多い
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■シンデレラの靴は普通の靴?
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■英語の歴史(英語、英国、日本、朝鮮関連と重ねました)
英語は、インド・ヨーロッパ語族の一員で、紀元前5000年頃黒海沿岸で話されていた言葉です。それがヨーロッパ各地やインドに広がりました。
- 紀元前5世紀頃から、ケルト人が移住し始めたといわれています。
ケルト人はそれまで、フランス・ドイツ・アルプスなどに定住していた人たちです。ケルトという人種がいるというのではなく、古代ギリシャ人が西方ヨーロッパにいる異民族をケルトイと呼んだことに由来するといわれています。
それ以前の先住民もいました。イベリア人といわれています。しかし、その言語は英語には残っていないようです。
ケルト人の言葉では都市や川の名前で英語として残っています。
London、York、Thames、などがそうです。
さて、キリスト紀元の初めには、西ヨーロッパはケルと語を話す南とゲルマン語を話す北に分かれていました。
そして、ケルト語を話す地域の大部分でイタリア半島から出たラテン語が広がったという歴史があるようです。
- その後、紀元前54、55年頃からローマ(カエサル)の侵攻にさらされます。(この頃日本は弥生時代。)
この頃より、ローマの言葉(ラテン語)が英語に浸透します。(イギリスはローマの属州となりブリタニアと呼ばれます。)
wall、street、mile、wine、dish、butter、cheeze、などローマの生活がみえるようです。
(この頃食卓の道具としては、武器でもあったknife を肉を切るために使いましたが、 spoon や fork はありませんでした。
spoon が食卓用として使われるのは、14世紀のことです。
fork が食卓用に使われるのは、中世末期の15世紀のことでした。
もちろん、彼らローマ軍はローマ人ばかりではありません。
ローマ帝国に征服された人たちも多く混ざっていました。
ゲルマン人も入ってしたかもしれません。そしてゲルマン人の正体はいまだ謎とされています。)
ローマは敵ですがその生活はかっこよく映ったようです。
ローマからは、「(公衆)浴場」の文化が伝えられますが、後のキリスト教の普及とともに浴場がなくなります。
そして、ローマの支配は4世紀後半まで続きます。
ところで、カエサルの「ガリア戦記」(紀元58から52年)というのがありますが、「ガリア」とは今日のフランス、スイス東部、ベルギー南部を含んだ地域のケルトをローマ人が「ガッリ」と呼んだ名称に由来するといわれています。(この頃日本は、倭の奴国王が後漢に朝貢し、印綬を受けています。「後漢書」)
- 4世紀後半(日本では古墳時代、朝鮮半島は百済、高句麗、新羅、任那に分かれていた頃。)にはゲルマン民族の大移動がはじまり、イギリスにも影響を及ぼします。このゲルマン民族のアングロ族とサクソン族がイギリスに7王国を建国します。
ケルト人も金髪でかっこいい青い目をした彼らに心やその他を奪われたケルト人もいたかもしれません。ケルト人と彼らがギリスに同居することになります。
彼ら、ゲルマン語由来の言葉としては次のようなものがあります。
ask、begin、come、eat、go、find、make、live、meet、see、sleep、speak、walk、stand、などです。
基本動詞が揃い踏みのようです。
father、mother、brother、son、daughter、家族が揃いました。
その他、動物や中学時代にならった生活に必要な日常英語の用語も揃ってきます。
- 5世紀中頃から英語史によると古英語はこのあたりから始まると言われています。ケルト人は5世紀頃にカトリックに改宗しています。
(既にローマは4世紀にキリスト教をミラノ勅令で公認し、キリスト教ローマ帝国の時代に入っています。)
- 6世紀末(聖徳太子が摂政となった飛鳥時代)あたりからキリスト教の強力な布教が始まります。イギリスでの文字使用もこの頃です。
このキリスト教の布教によりアングロサクソン人の読み書き能力が向上したようですが、7世紀が終わるまで英語の文献はないようです。そして、このころの英語は発音と綴りが同じだったようです。
キリスト教はラテンの国から入りました。ラテン語を起源とする英語は次のようです。
angel、candle、offer、organ、temple、school、など教会で使われそうです。
キリスト教改宗から9世紀はじめまで、イングランド南部にアングロサクソン文化が最盛期にあるといわれています。
- 8世紀末(奈良時代が終わろうとする頃)あたりからバイキングが侵略を開始します。バイキングとはもともと北ゲルマン民族全体を指した言葉です。
今は福祉の国家として有名なデンマークはバイキングが建てた国です。当時はスエーデン南部とデンマークを領土としていました。
(デーン人のバイキングやノルマン人のバイキングというように詳しくすればややこしく、その知識も整理しかねますのであまり追及しないでください。)
バイキングの言語は北ゲルマン語に属し古英語とは近い言語です。
英語はこの北欧語の影響を受けます。
call、die、get、give、take、基本動詞がまたできました。
代名詞のthey、their、same、なども入りました。
Give と Take だけで、英語は通じるという本もありますので、バイキングの影響も小さくはありません。 (余談ですが、バイキングの勢力拡大範囲は広くヨーロッパ各地や地中海沿岸までに及びます。しかし、各地にバイキングの文化の名残はありません。なぜならバイキングはとても強くて、小数で多数の人々を支配したからです。その為バイキングの方が彼らの文化に染まってしまったのです。チャンチャン。)
しかし、9世紀末には、アルフレッド大王がデーン人を撃退します。
この頃の文法で、自分が気になるところを整理しました。
●名詞の格変化が今より複雑です。
(但し、古英語後期からは単純化されます。)
●主格は、主語になり、補語になります。
●対格は、直接目的語になります。他動詞の直接目的語です。副詞にもなるようです。
●与格は、間接目的語。
●属格は、所有や部分関係を表したようです。副詞にもなります。今残っているのは、副詞になった always が、そうです。最後の s が格変化の残骸です。
他にも、indoors 室内で
outdoors 室外で
towards ~〜のほうへ
besides その上、さらに
overseas 海外で、海外へ
nowadays 今日では
perhaps たぶん、おそらく
●対格や与格は、副詞的にも用いられました。時間や距離、態様などを表します。
●当時は、今使われている前置詞の役割を格語尾が果たしましたが、その後格語尾がなくなり、前置詞をつかって同じ内容を表すようになります。そして、この前置詞の発達は中英語期以降本格的になります。
また、この頃の語順は比較的自由だったようです。
基本は、SVOですが、この目的語が、代名詞だったりするとSOVになったり、文頭に副詞句が来たりすると副詞句+VSOになったり、and の後はSOVになったりしたようです。
また、to 不定詞の to はこの頃前置詞と考えられていました。今は単に不定詞の印だとされています。
- そして、900年頃から1100年までが古英語の後期です。
911年にはノルマン人のバイキングがキリスト教に改宗します。(その対価として、ノルマンディー公となりました。)
バイキングのデンマーク王は、1016年にイギリス王も兼任しますが、その後急速に勢力が衰えます。
(但し、バイキングの言語は英語にも影響しました。)
そして、1042年イギリスにアングロサクソン王家が復活します。
しかし、それもつかの間。
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